本記事は医師のバイトの中でも注目度が高い「寝当直バイト」についての概要、探し方などについて解説していきます。
寝当直バイトは、医師免許を持ち臨床研修を終了した医師であれば可能です。
寝当直バイトのメリットとしては、自分1人の時間を確保できることや肉体的・精神的な疲労が比較的少ないことが挙げられます。
ただし、求人募集には注意が必要であり、報酬面で不利なこともあるため、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で選択することが大切です。
医師の寝当直バイトとは
「寝当直バイト」とは、医師が行う当直勤務のうち、比較的寝て過ごせる仕事のことを指します。
病院の形態によって、医師の当直の忙しさは異なります。例えば、地方の基幹型病院や急性期病院では、内科外科を問わず1〜2次救急レベルの患者を昼夜問わず診察する必要があるため、体力的にも大変なことがあります。
一方で、療養型やリハビリテーション病院、慢性期病院などでは、救急患者を受け入れていないため、夜間の救急搬送や突然の受診がほぼなくなります。
入院中の患者も、積極的な治療を望まない方が多く、院内急変に対する対応よりも、死亡時の確認や死亡診断書の作成などの業務が中心になります。
寝当直バイトに必要な資格
一般的に、医師の寝当直バイトは、医師免許を有し臨床研修を終了した医師であれば可能です。
求人募集には内科一般と記載されている場合もありますが、内科専門医でなくても十分に対応可能です。
必要なスキルは、死亡確認と死亡診断書の作成能力です。
死亡診断書に関しては、後日主治医が記載することもありますが、基本的には死亡確認をした医師が直ちに作成することがほとんどであり、1人でしっかりと死亡診断書を作成できる能力が求められます。
その他に、病棟患者の脱水や発熱、転倒などに対応できる初歩的な臨床スキルがあれば十分です。
寝当直バイトのメリット・デメリット
寝当直バイトのメリット
以下の医師は、寝当直バイトの恩恵を享受できる可能性が高いと考えられます。
- 自分の時間を確保したいが、相場が安いのが悩みの先生。
- 日々の業務で十分な時間が確保できないため、じっくりと時間を確保したい先生。
- 救急対応が苦手な先生。
- 地方の病院でのバイトにも特に問題がない先生。
医師の寝当直バイトには、以下の2つのメリットがあります。
- 自分の作業時間を確保し、自分1人の時間を過ごすことができる。
- 肉体的・精神的な疲労が少なくなる。
寝当直バイトは、救急患者が来ないため、基本的に呼び出されることはほとんどありません。
しかし、医師は院内に滞在する必要があるため、医局や当直室を利用することになりますが、他に誰もいないので自分1人の時間を過ごすことができます。
この時間をどのように使うかは医師によって異なりますが、自分の作業時間として活用する医師が多いと考えられます。また、コールがほとんどないため、肉体的・精神的な疲労が少なくなります。
寝当直バイトは、全国的に求人募集があり、自分の住んでいる地域から比較的簡単に見つけることができます。
ただし、案件数や条件に関しては、「首都圏よりも地方の方が良い案件が多い」という傾向があるため、首都圏在住の医師は地方での当直に参加する必要があるかもしれません。
全国の寝当直バイトは、民間医局がスポットバイトを提供しているため、数多くあります。これらのメリットを活用できる医師にとって、寝当直バイトはおすすめです。
寝当直バイトのデメリット
寝当直バイトにはデメリットが存在します。
たとえば、
- 当直一回あたりの単価が低い
- 病院の設備が悪い
- 当直明けから勤務病院までの交通が面倒
- 万が一の急変対応の際にスタッフの対応が不十分な場合がある
以上が挙げられます。
特に病院の設備については、寝当直バイトがある病院は一般的に古く、当直室も汚く、シャワーやWiFiがなかったり、検食のクオリティが低い場合が多いです。
都市部にある新しい急性期病院のような雰囲気はなく、昭和のレトロな雰囲気が漂う病院での当直が多い傾向にあります。
また、療養病院は全国にあるものの、交通の便がやや悪い場所に立地していることが多く、当直明けに自分の勤務病院や次の定期非常勤の病院まで移動に時間がかかるため、勤務時間には十分に注意する必要があります。
滅多にないですが、稀に気管挿管や心臓マッサージ、場合によっては高次医療機関への転送が必要な急性期病院のような症例に対応することがあります。
その際、療養病院の病棟スタッフは基本的に院内急変に慣れていないため、アウェーの病院でのスムーズな指示や治療が難しく、急変対応に苦労することが多いです。
医師の寝当直バイトは単価が安い?
前述したように、寝当直バイトにはデメリットもありますが、その一つが「当直一回あたりの単価が安い」ということです。
急性期病院の場合、平日の当直は7-8万円程度、休日の連勤だと18-20万円が相場ですが、寝当直バイトの場合、平日は4-5万円、休日は10-15万円が相場となります。ただし、救急患者や院内対応が必要な場合など、労力がかかる当直は当然、高額になることがあります。
また、最近は寝当直バイトの相場が下がってきている傾向があるようです。その原因としては、競争が激化していることや、他の医療機関や施設などでの寝当直バイトの増加が挙げられます。
寝当直バイトが安い理由
寝当直バイトの単価が下がる原因は、大きく2つあります。
1つ目は、大手のバイト紹介サイトが増加したことにより、寝当直バイトの情報が広く浸透したことです。
2つ目は、寝当直バイトを希望する医師が増加していることです。
寝当直バイトの情報拡散
このブログでも同様ですが、医師のアルバイトに関する情報は日々広がっています。
かつては、大学の医局が強く、その医局が派遣する医師に高額な報酬が支払われていました。しかし、現在では医局の力が弱くなり、近隣の病院が外部から医師を調達する必要が生じています。
その結果、かつてはほとんど知られていなかった寝当直の案件が、大手のウェブサイトに掲載されると、その情報が広がり、多くの医師がそれに目を向けるようになります。
特別なスキルが必要なく、経験の浅い医師でも対応可能なため、自然と単価が低下することが予想されます。
寝当直バイトを希望する医師の増加
さらに寝当直バイトを希望する先生方の数が増えている事についての考察です。
今ではワークライフバランスが重視されるようになっており、医局に属して激務をする先生より自分や家庭の時間を大切にする先生が増えています。
そのためゆったりと過ごせ、スキルがほとんどいらない寝当直を希望される女医さんや、自分の作業時間、勉強時間に当てたい若い先生が寝当直バイトを希望する傾向にあります。
結果として寝当直を希望する先生の総数が増え、寝当直一件あたりの単価が下がっていくと考えられます。
医師の寝当直バイトの最も簡単な探し方
では、寝当直バイトを効率的に探す方法についてお伝えしましょう。
まず、医師のバイト紹介業者を利用するのが一番効果的です。
交通の便が悪いというデメリットもありましたが、民間医局の求人であれば、『遠距離交通費支給』の項目が追加されているため、遠方でも交通費がサポートされる案件を探すことができます。
また、マイナビDOCTORでは「ゆったり当直」や「救急対応なし」といったカテゴリーがあり、効率的に寝当直バイトを検索できます。
寝当直バイトは単価が安く、応募者が多いため、大手サイトから希望の条件で検索し、複数の案件に応募することが王道のやり方です。
医師の寝当直バイトは狙い目
以上医師の寝当直バイトについての最新情報をお伝えしました。
呼ばれない、自分の時間がもてる寝当直ですがその反面単価が安く収入が悪いので条件のいい案件を効率的に探していく必要があります。